第13回日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究集会、テーマ:ラパヘルを維新する!!

ご挨拶

能城 浩和

第13回 日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究集会

当番世話人 能城 浩和

佐賀大学医学部 一般・消化器外科 教授

このたび第13回日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究集会を開催させていただくこととなりました。会場は福岡・天神と交通アクセスも良好でありますので多くの方々にお越しいただき、腹腔鏡下ヘルニア手術手技について熱く討議できればと考えております。

今年は明治維新より150周年の年にあたり、日本各地で関連のイベントが開催されております。佐賀県では現在、「肥前さが幕末維新博覧会」が開催されており、薩長土肥と謳われた佐賀藩の歴史と明治維新におけるその業績を県内様々な会場で学ぶことができるようになっております。

幕末、鍋島直正公の進めた近代化により、佐賀藩は幕末の雄藩の一つと言われるまでに成長していきました。その中で、直正公は「知」の拡充のため、佐賀弘道館を移転・拡張させただけでなく、「好生の徳は万人に洽かし」の考えのもと現在の佐賀県医療センター好生館の元となる医学館を創設しました。また当時、不治の病とされ大変脅威となっていた天然痘に対し、藩医であった伊東玄朴より「牛痘法」の導入を進言された直正公は、同じく藩医であった楢林宗建に命じて種痘を開始しました。さらに医療水準維持のため、佐賀県では全国に先駆けて「医業免札姓名簿」つまり医師の登録制を実施しました。このような「知」に対する飽くなき欲求と、新技術の導入、またその水準の維持・発展に対する尽力は、現在でも佐賀の医療関係者の心の中に脈々と受け継がれているものと思います。

今回、佐賀県佐賀市鍋島にあります佐賀大学医学部、一般・消化器外科が日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究集会を開催させていただくにあたり、そのテーマを「ラパヘルを維新する」とさせていただきました。本会の功績により、多くの施設でヘルニアに対して腹腔鏡手術が取り入れられるようになってきております。しかし、さらなる安全性の向上、再発および合併症の軽減を進め、腹腔鏡手術をヘルニア手術のGold Standardにしていくことを目標としていかなければなりません。そのためには、デバイスおよびメッシュの開発・改良はもとより、外科医の技術の向上は欠かすことができません。そこで、第13回日本腹腔鏡下ヘルニア手術手技研究集会が技術習得および向上のための学びの場となり、またさらに現在の腹腔鏡下ヘルニア手術を維新するような新たな提言、および意見交換の場となることを切に期待いたします。

前述のとおり、多くの方々に参加していただくべく今回は福岡にて開催させていただきます。11月の福岡は大変気候も良く、また全国屈指の美食の街でもございます。みなさまお誘い合わせの上、ご参加いただければ幸いです。また、お時間がございましたら佐賀まで足を伸ばしていただき、「肥前さが幕末維新博覧会」を見学しながら佐賀の風土を感じていただければと思っております。

スタッフ一同、こころよりお待ち申し上げております。